花の季台の家

専用住宅

住宅団地の南入りの敷地。中庭の木を囲むようにスキップフロアが立体的に構成されていて、開放的な住まいはカーテンを閉ざすことがない。家族は中庭で繋がり、中庭が街へと繋いでくれる。

所 在 地    広島市安佐南区大塚西
構   造    木造
    一部 鉄筋コンクリート造
階   数    2階建
面   積    敷地面積 204.39㎡
         建築面積  91.63㎡
         延床面積 157.14㎡

 敷地は東側に穏やかに下がりながらひな壇状に連なる、典型的な新興住宅団地の一区画である。ここでは街に対して住戸を開いた表情にするために、塀や門扉を築くかわりに緑化することが求められていた。
 かつては、茶の間でお茶を飲んでいると近所の人が、お菓子を持って縁側から上がってくる。そんな気安さで街と家とが繋がっていた。「思いきって中庭を横切って玄関に入るという案はどうですか?」と結婚を控えた若い二人に提案した。そうすれば若い二人を、やがては彼等の子どもをはぐくみ育てることに街は少し手を貸してくれるだろう。問題は、街に対して開いた庭と住空間の関係をいかにして保つかである。いつもカーテンを閉ざしてしまうのではつまらない。そこで、リビングは車庫の上の中二階に持ちあげ、これによって街路からの視線を遮る位置に中庭に面したダイニングを設けることができた。中庭には、ある夫婦からゆずりうけた欅が一本植わっている。これを囲むように、ダイニングとリビング、二階の個室が吹抜で繋がる立体構成となった。家族は中庭で繋がり、そして中庭が街へと繋いでくれている。

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