尾道の家

リフォーム

京都・小林造園により作庭された和風庭園の中に据えられた築32年の木造住宅。庭園と調和している外観を変えることなく、住環境が改善することを希望。中庭に面して吹抜を設けることで光や風が届き、家族の気配が伝わるようになった。耐震補強や断熱改修を空間のアクセントに生かして生まれ変わらせた。

所 在 地  尾道市
構   造  木造
階   数  2階建
面   積  延床面積 410.40㎡
       改修面積 240.28㎡

 邸宅は、尾道市の沿岸部にほど近く、川沿いの山裾にあり、京都・小林造園により作庭された見事な和風庭園の中に据えられた築32 年の木造住宅である。近年、生活の中心が先代から若夫婦へ移行したことが改修の切っ掛けだったが、庭園と調和している外観を変えないことが唯一の条件だった。長年住み続けている住まいをどのようにリフォームするか、何度も話合い、住まい方の提案を行いながら設計方針を立てていった。
1)なるべく仕切らない生活
2)四季の移ろいを感じられる空間 
3)素材感のある内装や構造(設える楽しみの背景に)
 この建物の多くの問題の解決を、中庭に面して吹き抜けを設けることに委ねた。家中に光がふりそそぎ、空間に一体感が生まれ、また手入れの行き届いた庭園の緑が、さまざまな位置の開口部から空間に彩りを添える。その開放的な空間を安全に支えるために耐震補強を行い、その耐震壁にはタイルや左官塗りを施し、新しい空間のアクセントとして生まれ変わらせた。次に温熱環境を快適にするため、次世代基準に近い断熱性能を確保し、開放的な空間に沿った冷暖房システムを組み合わせ省エネに努めた。これに加えたペレットストーブは、地球温暖化対策にささやかながら貢献し、その炎は気持ちまで温かくしてくれる。このリフォームは、住まいを次の世代へ「住み継いでいく」優れたモデルとして、専門家の方からも高い評価をいただいた。

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