テラスコート牛田旭

コミュニティー形成促進型賃貸住宅

この地に暮らす4世帯の親族が次世代に住み継ぐための事業である。まず敷地に防災対策を施し、次に新たな住人を受け入れ親族たちもコミュニティーの一員となる。整備する道路を中庭に見立て共用することで、近所づきあいが自然に生まれることを願っている。

所 在 地  広島市東区牛田旭
構   造  木造
階   数  2階建
面   積  敷地面積 977.92㎡
       建築面積 372.44㎡
       延床面積 689.93㎡

[近所づきあいのある暮らし]
 敷地は崖崩れの危険性が高い急傾斜地を抱えていて、開発許可による造成工事が必要だった。これらの工事資金を捻出するために賃貸事業が選択され、新たな住人を受け入れることで次の世代へと住み継ぐことが可能になった。
「テラスコート牛田旭」はオーナーの希望で、既存住宅や地域の人々と新しいコミュニティーが生まれるような開かれた小住宅団地が求められた。新たに整備された道路をこの団地のコート(中庭)に見立て、中庭を介する生活により自然にコミュニティーが生まれることを委ねた。開かれた中庭に面したエントランスは、高さを抑えられてリズミカルに並び、各住戸が分節して街並に見えるよう工夫した。建物は背景に見える竹藪に沿うように雁行させることや、白黒のコントラストが繰り返される外観、住戸間の袖うだつなど、限られた土地の中で快適に暮らすため伝統的な町屋の手法を取り入れた。各住戸は南北に長い。敢えて日当たりのよい南側の2階に小さな書斎を設け、ここから階段のある吹き抜けを通して、建物の奥まで光や風が届くように工夫した。さらに2階の天井は緩やかな勾配で全てが繫がっており、天井まで空いた窓の光が南北を貫く。家中どこにいても家族の気配が感じられ、開放的な空間になった。

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