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( フォードットイズム )

美容室 + 住宅

コンクリートの大きなアール壁に視線は受け止められ、壁に沿って駐車場に導入される。1階の美容室は壁と窓が同じ間隔で繰り返され内外が曖昧な空間に、2階のオーナー住宅はアール壁で外部から隠されている。1枚の壁がお店づくりのコンセプトに答えている。

所 在 地  東広島市西条町
構   造  鉄筋コンクリート造
           一部 鉄骨造
階   数  2階建
面   積  敷地面積 375.99㎡
       建築面積 106.02㎡
       延床面積 173.10㎡

 敷地は広島大学のキャンパスに近い幹線道路沿いにあり、商業地として恵まれた環境といえる。ともに美容師であるクライアント夫婦が考えたお店づくりのコンセプトは、自分達の個性を押しつけるのではなく、お客さまの主義や主張を引きだせるお店にしたいという意が込められ、. . . . i s m(フ ォードット イズム )と名付けられた。
 建物は、敷地の手前で緩やかにカーブしている幹線道路からの視認性を生かすためコンクリートの大きなアール壁を設け、その壁に沿って導入されるように駐車スペースを配置した。1階が美容室で2階がオーナー住宅という構成で、1階から立ち上がるアール壁の2階の内側は住宅のルーフテラスになっている。2階に開放的な居住空間があるにもかかわらず、周りから生活感が見えることはない。
 1階の店舗は、アール壁が開口と壁を同じ大きさで繰り返しながら、内部から外部へ貫通している。内外が曖昧な空間になり、場所によってできた均質でない雰囲気を店舗の機能に生かした。インテリアは、杉板型枠のコンクリートと、本物の杉板を張って抽象化している。インテリアを見る人の感性に委ねたいと思った。お店づくりのコンセプトに答えることで、開放的でありながら落ち着きのある空間になった。

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