太陽工業株式会社新社屋

オフィスビル

杉板型枠を使ったコンクリート打ち放し壁は存在感を示しながらも、時に柔らかく見える。創業から受け継がれてきた開拓精神をこの壁に表現した。壁は新社屋の顔となり、地震力を受け止め、軽快な鉄骨フレームと組み合わされたハイブリッド構造でフレキシブルな執務室を支えている。

所 在 地  広島市中区江波南
構   造  鉄骨造
     一部 鉄筋コンクリート造
階   数  2階建
面   積  敷地面積 4,710.62㎡
       建築面積 199.43㎡
       延床面積 322.80㎡

 広島港に面する南北に長い敷地には、南から工場、倉庫、社宅、事務所の4棟が建ち並ぶ。太陽工業株式会社はこの地で創業し、機械製造、鉄鋼、運輸といった事業をしだいに拡大しながら創業60 周年を迎えるに至った。本社新社屋には、それらの事業が効率的に機能することと、
今後の新事業にも対応できるオフィス空間が求められた。また、創業から受け継がれてきた開拓精神を、新社屋に表現して欲しいと委ねられた。
 新社屋の西側は常に大型車両が出入りし、西日もあたることから鉄筋コンクリート造の壁を立てることにした。本社屋の顔となる壁は、その一部を杉板型枠を使ったコンクリート打ち放しにし、浸透性の着色を施した。壁は光の当たり具合によって存在感のあるコンクリートに見え、時には柔らかな杉板のように見える。堅実な社風の中、常に新しい風を感じてもらいたいという意を込めた。また、これらの鉄筋コンクリート造の壁は地震力を受け持ち、鉄骨フレームを組み合わせたハイブリット構造となっている。執務室に柱がないフレキシブルで軽快な構造にすることができた。

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