東雲の家

専用住宅(母屋が隣の二世帯住宅)

幹線道路沿いにある南北に細長い敷地。都心部の雑踏から逃れ快適に暮らすため、建物中心に中庭を設けた。光や風・プライバシー・家族の気配など、全て中庭から享受している。

所 在 地  広島市南区東雲
構   造  鉄筋コンクリート造
階   数  3階建
面   積  敷地面積 169.78㎡
       建築面積  92.25㎡
       延床面積 232.82㎡

 敷地は広島市の中心地に程近い幹線道路沿いにあり、間口が狭く南北に細長い形状をしている。周辺はビルや住宅が密集しており、都市部の典型的な住環境と言える。
 クライアントの要望は、敷地に隣接している実家との繋がりを大切にしたいという事と、都心部においても安全で快適な住環境で暮らしたいというものだった。小さな子どもを持つ共働きの若夫婦が、お隣に暮らすご両親に助けて貰いながら、のびのびとした子育てをしたいという希望も託された。
 建物は3層で、1階はカーポートとゲストルーム、2・3階が居住スペースという構成としている。細長い敷地形状から中庭を囲むコートハウス形式を採用した。1階の中庭に面した土間玄関を昔ながらの縁側空間に仕立てて、ご両親が縁側に腰掛けながら中庭で遊ぶ孫と過ごせるよう設計した。
 2・3階の居住スペースは、それぞれの空間が中庭を介して視覚的に繋がれており、どこに居ても気配が感じられるようにしている。中庭のおかげで、建物が密集している環境の中、プライバシーを確保しながら採光と通風を享受することができる。中庭はこの家の中心である。この他、幹線道路の排気ガス煤煙を高性能フィルターで取り除く吸気システムや、外断熱工法と蓄熱式床暖房の組み合わせで、安全で快適な住環境をつくることができた。

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