三次町の家

二世帯住宅

素晴らしい景色が望める山裾にある。思い出が詰まった「離れ」を残し、「母屋」を建て替え二世帯住宅に。傾斜地でも安心できる鉄筋コンクリート造を採用しているが、地域の伝統的な建物の形態は継承している。

所 在 地  三次市三次町
構   造  鉄筋コンクリート造
階   数  2階建
面   積  敷地面積 614.82㎡
       建築面積 137.26㎡
       延床面積 222.71㎡

 敷地は三次市の中心部に程近い山裾にある。小高い敷地に佇むと市街地を背景にして西城川がゆったりと流れ、朱色の巴橋を望めるといったすばらしい景色が楽しめる。代々この地に住み続けられているご家族からの依頼で、定年退職を間近に控えたご両親が、これを機に、近くに住んでいる若夫婦と一緒に暮らす二世帯住宅に建て替えることなった。
 傾斜地ということで長年悩まされてきた湿気や安全性の問題を、建物を鉄筋コンクリート造にすることで解決したいと考えた。思い出が詰まった木造の「離れ」を残しながら、新しい「母屋」を調和させることで、伝統的な形態の中にも新しい息吹が感じられるような建築を目指した。「母屋」のコンクリート躯体にも屋根瓦が葺かれ、外壁はガルバリウム鋼板を下見板に見立てて張り、屋根とともに外断熱工法を採用している。
 二世帯のコミュニケーションが自然に行われるように、それぞれ別の機能を持った空間を大きな吹き抜けで包みこんだ。あらゆる生活シーンにおいて景色を楽しめる開放的な住まいになった。伝統的な形態を継承しながら新しい材料や技術を取り入れた住宅は、これからもご家族を支え続けてゆくことだろう。

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